【5分速習】会話術で瞬時に理解!商談・ビジネスで使えるロジカルシンキング × 会話術3選
商談やビジネスの現場で即戦力になる「高度な理解力」を磨く3つの会話術を徹底解説。ロジカルシンキング×実践訓練法で、相手の話を瞬時に整理し、信頼を勝ち取るノウハウを5分で習得!
はじめに
本記事では、商談・ビジネスの現場で即実践できる会話術、
特に聞き方について記載しています。
記載の内容は、筆者もビジネスの現場で(ほぼ無意識に)実践している内容です。
効果と信頼・効果は検証済みです。
なぜロジカルシンキング×会話術 → 信頼獲得に必須?
情報の洪水を瞬時に整理
会議・メール・チャット、資料など
飛び交う情報は膨大です。
ロジカルシンキングを使えば、高速で捌けます。
つまり、作業が短縮します。
チーム・関係者間の誤解や、
コミュニケーションロスも防げます。
素早い理解→フィードバック・回答で信頼獲得
整理された理解をもとに素早く的確な応答(=結論提示、根拠の提示、具体例の提示)ができれば、
案件・プロジェクトへの理解が先行していることで評価されます。
さらに、整理した情報を提示することで、
チーム・関係者に対応方針を示せます。
リーダーシップとは、ロジカルシンキングができて初めて発揮できるものです。
問題分解でテーマを切り分ける方法3選 (× ロジカルシンキング技法)
① テーマの切り分け = 問題分解(Issue Tree/MECE 分解)
話を聞くときは、テーマが暗黙に、遷移していきます。
※MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)とは、「モレなく、ダブりなく」要素を整理する思考法です。たとえば売上不振の原因を「営業力」「商品力」「価格」などに分類するように、重複なく網羅することで、抜け漏れのない議論ができます。
相手は、テーマがかわったことを宣言しません。
自身の中でテーマを区切りながら、
相手の話を聞き取りましょう。
要素分解の基本が学べる記事はこちら。
❌ よくある失敗:
相手が話した内容を、
そのまま丸呑みして聞いてしまう。
あとから「何が本題だったのか?」と自分でも分からなくなる。
■ 現場事例:お客さんとの商談
お客さんA:
「今期の売上が思うように伸びず、広告費だけがかさんでいるんです。しかも新商品の開発も遅れ気味で…。」
→ 短い一文ですが、
ここには3つのテーマが混在しています。
- 今期の売上が思うように伸びず→売上課題
- 広告費だけがかさんで→広告投資のコスト課題(1の内訳の一つ)
- 新商品の開発も遅れ気味で→開発遅延
複数の課題をお客さんは、
まとめて、整理せず話してきます。
ヒアリングする段階で、上記の3つを自身の中で切り分け、整理しましょう。

「ひとつひとつ解決しましょうか。今のAさんのお話ですと、三つの課題があるようですね。1、2、3があります」
とこちらで整理してアウトプットするだけで、
お客さんAの中でも問題が整理されます。
問題を考える足がかり・方針を提示できます。

これだけで信頼がぐっと上がります。
MECEはの思想はもれなくダブりなくということで、
切り分けには必須です。
切り分け → 因果・依存関係を考えるというように、次に進みます。
訓練法/実践法
- 訓練:ニュースやyoutubeを、
テーマを自身の中でまとめながらきく→一番初歩的ですが、非常に効果的な訓練法です。
- 実践:社内の会議打合せ/営業で、
テーマ切り分け
→自身が参加できる会話の場において、
常にテーマ切り分けながらヒアリングをする。
② リスト化で要点を整理 = 情報構造化する(ピラミッド・ストラクチャ)
3つ以上テーマ(要素)並んだら、頭の中で縦にリスト化して並べましょう。
※ピラミッド・ストラクチャとは、結論を一番上に置き、根拠や事実をその下に階層的に整理するフレームワークです。主張と理由の関係を一目で理解できる構造なので、資料作成や報告に多用されます。
相手の話を、ぼんやり聞き流してはいけません。
- 高速で脳みそを回転させ、
- インプットと同時に頭の中のメモに書留め、
- 反芻しながらインプットを進めながら、
と、脳内で二つの処理を高速で行き来します。
❌ よくある失敗:
指示を受けた時点で要素を整理せず、
あとからチャットやメールを何度も見返してしまい、時間を浪費する。
指示内容を漏らす。
■ 現場事例:上長からの売り上げの概要報告書の作成指示
上長:
「来月の経営会議に向けて、先月の全社売上状況をまとめた概要報告書を手伝ってほしいんだけど、
細かい数字も入れつつ、結論のサマリを1ページ目にぱっと見でわかるようにグラフや表を配置してほしい。
ニュアンスは、前の資料についてチャットで共有しといたからそれを参考に。
あと、可能であれば最後に今期のリスク要因と次の打ち手の提案まで箇条書きでまとめておいてくれると助かるな。
期日としては来週の火曜日午前中までにドラフトをお願いしたい。
よろしく頼むよ。」
上長の指示のリスト化メモ↓
- [TODO:] 結論サマリ作成(1Pダッシュボード化)
- [TODO:] リスク要因&次打ち手提案ドラフト作成
まずは、自身の中で上記だけを抽出し覚えておきます。
それに対して、情報をくっつけて覚えます。
書き出すタスクメモは下記でしょう。
タスクメモ↓
- 結論サマリ作成(1Pダッシュボード化)
├ 先月の全社売上データを集計
├グラフ・表を作成
└1ページ目に結論要点を配置
- リスク要因&次打ち手提案ドラフト作成
├今期のリスク要因を洗い出し
└次の打ち手を箇条書きで整理(ドラフト作成)
上長の話を聞く → 即座にメモ書きでアウトプット出せるのが理想です。
練習次第ですぐできるようになります。
コツは上記の形を、
テンプレとして身に着けてしまうことです。
5回くらいやれば、
案外、無意識でできるようになりますよ。
訓練法/実践法
- 実践:朝会・夕会
同僚の報告から、上記のテンプレに
タスクを分解し書き起こします。
チームの流れも状況もわかりますし、一石二鳥です - 実践:会議の議事録作成
依頼をされなくても作ります。
そして持ち帰り事項を、
チームのチャットに展開します。
これだけで評価と信頼が内部で爆上がりします。
③ アンカー(軸)を置く = 仮説思考(So-What? × 相手視点)
※仮説思考とは、「きっとこうだろう」という前提を先に立て、それを検証しながら素早く判断・行動するための考え方です。限られた情報で即断しなければならないビジネス現場では、非常に有効な手法です。
ヒアリングの際、自身の中で
「あなたの興味の軸(アンカー)はどこなの?」
と、相手にチューニングするために心の中で質問を投げかけ続けましょう。
上記がわかったら、
「軸はわかった。で?次どうする?何伝えたいの」
と、自身のヒアリングの軸をもって話を聞きましょう。
❌ よくある失敗:
相手の「話したいことの軸」が見えず、
質問や議論があちこち飛んでしまう。結論も決まらず空振りに終わる。
■ 現場事例:お客さんのシステム開発の仕様決定の打ち合わせ
お客さん:
「新サービスは、直近3カ月で月間利用者数1,000人を目指したいです。
だいたい機能はいまのリストの10個で十分の想定です。
ただ、リストの№6については、過去の別の障害起因で懸念があり、それについてはetc...」
→ 「月間利用者数1,000人」がお客さんの関心の“アンカー”です。
→ しかし、我々開発する側としては「仕様が決められること」のみがアンカーです。
それぞれのアンカー(軸)に対して、
「それで?次どうするの?」と常に心に持ちながら話を聞くべきです。
相手の支離滅裂な話の流れに、
振り回されないように。
訓練法/実践法
- 実践:作業の背景/経緯、意図を、質問を投げかける
作業の依頼が上長や同僚からあったとき、なぜかを聞くというシンプルな訓練です。
ただその時、「だれが」「どういう意図で」「どういう経緯で」作業が発生したか、わかるまで聞きます。
アンカー(軸)が見えてくるまで聞くというのが習慣づけば、自ずと感覚が身についてきます。
おわりに
本記事で示した3つの会話術は、ロジカルシンキングの「問題分解」「情報構造化」「仮説思考」を利用し、
現場の会話を即実践できる形に落とし込みました。
今日から上記の事例と訓練法を取り入れ、
「5分で現場即実践ロジカルシンキング」を体感してください。
参考
『考える技術・書く技術(バーバラ・ミント)』:ピラミッド・ストラクチャの原典。
『イシューからはじめよ(安宅和人)』:思考の軸=アンカーを見つける思考法が学べる。
限界戦闘プロジェクトマネージャー